卵

こんにちは。フィナンシェをこよなく愛する♡フィナンシェ好きのHARUKAです。

フィナンシェの重要な材料・卵白についてですが、なぜ卵白なのか考えたことはありますか? 

フィナンシェの定義に【焦がしバター+卵白+アーモンドプードルを使用した焼き菓子】というものがあります。

そこで今回は、全卵・卵黄・卵白は何が違うのか、それぞれの役割とその効果、使い方について幅広くご紹介します。

卵とは

卵は焼き菓子にはほぼ必須の材料です。(※スノーボールなど、卵をまったく使用しないお菓子もあります)通常、卵といえば鶏卵を指しますが、鶏卵以外でもウズラやダチョウ、キジなどといった他の鳥類の卵も食材として利用されることもあります。

ひよこ

プリプリとした卵黄のその可愛らしい見た目から、黄身部分がそのままヒヨコになると思われたこともあるかもしれませんが、そうではなく、卵黄にくっいている小さい白い部分がヒヨコになります。あくまでも卵黄はヒヨコが育つための栄養分です。その周りの卵白も栄養分でもありますが、細菌を倒す効果もあるようです。それらの栄養分を人間がいただいているんですね。ありがたいです。

ヒヨコの原型

そのため、卵は「完全栄養食」と呼ばれ、ビタミンCと食物繊維以外の栄養成分をすべて含みます。良質のたんぱく源となり、卵白には口内炎予防に欠かせないビタミンB2も豊富に含まれています。栄養価が高いので、その分カロリーも高くなります。卵Mサイズ(50gあたり)1個分あたりのカロリーは、生卵で70kcal、ゆで卵にすると67kcal、目玉焼きにすると133kcal、卵焼きなら95kcal程度です。

卵には、乳化性(水と油を混ぜる)、起泡性(かき混ぜると泡立つ)、熱凝固性(加熱で固まる)の3つの調理特性があり、それぞれの特性を活かして様々な料理に活用されています。

全卵・卵黄・卵白の違い

全卵

全卵とは、
卵の黄身と白身のことを指します。

全卵

お菓子作りにおいて「全卵」とは卵黄と卵白をよく合わせた卵液のことを指します。

全卵を使用した焼き菓子は崩れにくいのが特徴です。

卵黄

卵黄とは、
卵の黄身の部分を指します。タンパク質・脂質・ビタミンA・ビタミンB群・ビタミンE・レシチンなど栄養たっぷりです。

卵黄

栄養価のほとんどは卵黄に含まれています。

卵黄を使ったお菓子はコクがあり、サクホロ感が出るのが特徴です。

卵白

卵白とは、
卵の白身の部分を指します。大部分がタンパク質で構成されています。

メレンゲ

よく混ぜるとメレンゲになります。

焼くと固くなる性質があるので、薄い生地を作ることも可能になります。

栄養比較(100gあたり)

全卵卵黄卵白
カロリー142kcal336kcal44kcal
水分75.0g49.6g88.3g
たんぱく質12.2g16.5g10.1g
脂質10.2g34.3gTr
炭水化物0.4g0.2g0.5g
灰分1.0g1.7g0.7g
食塩相当量0.4g0.1g0.5g
引用:文部科学省食品成分データベース

100gあたり…なので、実際に1個では100gに満たない卵黄のカロリーが大爆発していますね。卵の栄養価は小さい卵黄に集中していることが良く分かります。

ちなみに、 卵白の脂質のところに書かれている表記「TR」ですが、「Tr」⇒Trace(トレース)の略で、微量を意味し、成分が含まれてはいるが、最小記載量に達していないという意味です!

その他の卵用語

液卵白

液卵白とは、卵の殻を割って卵白のみを集めた加工食品(加工卵)のことです。

いくつかのフィナンシェの食品表示でよく目にする機会がありましたね。

全卵・卵黄・卵白を使ったお菓子

全卵・卵黄・卵白はそれぞれ違った特性を持つので、お菓子の仕上がりも変わってきます。

全卵を使ったお菓子

全卵は卵黄と卵白の性質をあわせもち、バランスの取れたお菓子を実現します。卵黄の特性から崩れにくい生地に、卵白の特性からカリッとした食感の双方を兼ね備えたお菓子になります。

 マドレーヌ

マドレーヌ

全卵と砂糖・薄力粉・ベーキングパウダーなどをしっかりと混ぜて、溶かしたバターを加えて、生地を寝かせて焼いて作るマドレーヌは、甘くてやさしいバターの風味と、全卵によって生まれるふんわりしっとり食感が魅力的なお菓子です。

詳しくは「フィナンシェとは?フィナンシェとマドレーヌの違いも徹底解説」もご覧ください。

 パウンドケーキ

パウンドケーキ

溶いた全卵と薄力粉・砂糖・バターなどを段階的に混ぜ合わせて、オーブンで焼いて作るパウンドケーキは、全卵が生み出すしっとりとした食感と素朴で上品な味わいが特徴です。

パウンドケーキの「パウンド」は、小麦粉、卵、砂糖、バターをそれぞれ1ポンド(pound= 453g) ずつ使用したことに由来してるようです。

 カステラ

カステラ

小麦粉、全卵、砂糖、牛乳、水飴などを混ぜて合わせてオーブンで蒸し焼きにして作るカステラは、ポルトガルから長崎に伝わった「カステーリャ王国で作られたパン」としてポルトガル語で紹介された南蛮菓子を元に作られた和菓子…実は部類は和菓子なのです。

カステラは消化が良く、短時間でエネルギー(糖質・脂質・タンパク質・必須アミノ酸など)を効率よく取れるとしてアスリートからも人気で試合前に食べる方も多いようです。

卵黄を使ったお菓子

卵黄は成分中に油脂を多く含み、卵白に比べて水分が少なく、生地を固くするグルテンが発生しにくい為、焼き菓子に利用すると、ホロホロとした柔らかい口溶けの良い食感になります。 卵黄を使用することでコクや風味が強く、焼き色もつきやすくなります。特徴として、生地が膨らみにくく形を保ちやすいといった点があげられます。

 シュークリーム

シュークリーム

シュー生地自体は全卵で作りますが、中身のカスタードクリームは卵黄で作ります。卵黄と、薄力粉、グラニュー糖、牛乳を混ぜ合わせて、温めて冷やして作ります。日本ではもう定番商品となっていますね。フランスには16世紀にアンリ2世のもとへイタリアから嫁いできた王妃カトリーヌ・ド・メディシス(よく出ますね)が連れてきた製菓長のポプランが持ち込んだシューの製法が基となり、1760年にジャン・アヴィスが完成させたと言われています。

 エッグタルト

エッグタルト

卵黄と薄力粉、グラニュー糖、牛乳を混ぜ合わせて、温めて冷やしたフィリング(中身)をパイ生地(※こっちは全卵でOK)の中に入れて焼いたエッグタルトは、香港やマカオ名物として有名ですが、もともとはポルトガルで「パステル・デ・ナタ」として修道院で生まれたものだそう。その後ポルトガルの植民地であったマカオから香港へ、そして日本にも伝わり、1999年には大ブームとなりました。

 スイートポテト

スイートポテト

丸焼きにしたサツマイモを2つに切って中身を取り出し、卵黄・砂糖・バター・牛乳・香料などを練り合わせて、元の皮に詰め直して焼いたスイートポテトは、実は日本生まれのお菓子です。ちなみに英語でスイートポテト(sweet potate)は「さつまいも」のことを指します。

 バニラアイス

バニラアイス

卵黄を泡立て器でマヨネーズみたいになるまで混ぜて、砂糖と水を鍋で煮た物に合わせて、泡立て器で混ぜ合わせて、冷凍庫で冷やして固めるだけでできるとっても簡単なバニラのアイスクリームは明治の文明開化で日本にもたらされました。(特に喉の)風邪を引くと食べたくなるアイスクリームは卵黄の栄養がたっぷりあるので、すぐに元気になれちゃうお菓子ですね。

卵白を使ったお菓子

卵白はたんぱく質が多く含まれているため、熱すると固くなる性質があります。焼き菓子にするとサクサクとした食感、あっさりとした味になります。

 フィナンシェ

フィナンシェ

材料は焦がしバター、薄力粉、砂糖、卵白、アーモンドプードル。バターを焦がして生地を混ぜてオーブンで焼き上げて作るフィナンシェは外側サクサク&内側しっとりの食感がたまりません。

詳しくは「フィナンシェとは?フィナンシェとマドレーヌの違いも徹底解説」もご覧ください。

 メレンゲクッキー

メレンゲクッキー

泡立ててメレンゲにした卵白と砂糖を混ぜてオーブンで焼いただけのシンプル製法のメレンゲクッキーは、口に入れるとサクサクして、すぐにジュワっと溶ける二重食感が魅力的なスイーツです。フランスのパティスリーにかかせない一品です。

 ラングドシャ

ラングドシャ

卵白と小麦粉・砂糖・バターを混ぜて作る生地を薄くのばして焼いた、軽い食感のクッキーです。卵白の焼くと固くなる性質を活かして薄い生地に仕上げています。日本では葉巻型や四角形の場合が多いのですが、もともとは「ラングドシャ(langue de chat)」とはフランス語で「猫の舌」という意味を持ちます。薄く細長い形に焼かれたこのクッキーが猫の舌に見えたためだそうです。Chat(シャッ)😺って何だか可愛いですよね。

 マカロン

マカロン

卵白や粉砂糖、アーモンドプードルを混ぜ合わせてオーブンで焼き上げたマカロン生地で、ガナッシュクリームやジャムなどをはさんだ焼き菓子です。こちらも16世紀にカトリーヌ・ド・メディシスがイタリアからフランスに持ち込んで発展したお菓子です。日本では2004年に大ブームになりました。

まとめ

今回は卵について、全卵・卵黄・卵白の違いとは何なのかついてお話いたしました。

簡単にまとめると下記のとおりです。

  1. 全卵は卵黄と卵白を指し、全卵を使用した焼き菓子は崩れにくいのが特徴で、マドレーヌなどのふわふわ食べ応えのあるお菓子に最適!
  2. 卵黄は卵の黄身の部分を指し、栄養たっぷりで、卵黄を使ったお菓子はコクがあり、カスタードクリームやスイートポテトなど甘くて美味しいお菓子に最適!
  3. 卵白は卵の白身の部分を指し、主にたんぱく質で構成されており、熱すると固くなる性質を活かしてフィナンシェなどのサクサク感を高めています!

これからもどんどんフィナンシェ道を極めていきたいですね!!