バター

こんにちは。フィナンシェをこよなく愛する♡フィナンシェ好きのHARUKAです。

フィナンシェの定義に【焦がしバター+卵白+アーモンドプードルを使用した焼き菓子】というものがあります。

今までたくさんのフィナンシェを食べてきましたが、マーガリンが使用されているフィナンシェもたくさんありました。

バターの方が高級なイメージ♪ 美味しいんじゃない? カロリー高そう!

マーガリンは安いイメージ? でもあんまり変わらない? いやいや全然違う?

バターとマーガリンの風味や味、原料、栄養比較、製造方法など、バターとマーガリンの違いをわかりやすく解説いたします。

バターとマーガリンの違い

定義

バター

バター
  • 乳脂肪分が80%以上含まれるもの
  • 水分は17%以下

マーガリン

マーガリン
  • 脂肪分が80%以上含まれるもの
  • 乳脂肪含有率40%未満
  • 水分は17%以下

バターマーガリンとして販売されるには、省令や規定が設けられています。 上記の定義も法律による基準となります。バターは乳製品、マーガリンは加工食品です。バターは牛乳からクリームを分離させたものを凝固して作ります。冷やすと固まり、20度くらいで柔らかくなり、40度くらいで液体化します。一方マーガリンは油脂を原料に作られた加工品で、冷やしても固まりません。

バターの起源には諸説ありますが、一説によるとインドの古い経典には紀元前2000年頃、すでにバターらしきものが作られていたという記述があるとのことで、古くから人類はバターを使っていたことが良く分かります。一方のマーガリンは、1869年にフランスでバター不足をきっかけに、ナポレオン3世の指示によって代用品として開発されたようです。その後マーガリンは世界中に広がっていき、日本には明治中期に入ってきました。その頃は「人造バター」と呼ばれていたようです。

定める法律

バター

牛

乳及び乳製品の成分規格等に関する省令
(乳等省令)

マーガリン

農林水産省

日本農林規格(JAS規格)

「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」では「バターとは何か」「プロセスチーズとは何か」といったように明確に定義していて法律に詳しくなくても読みやすい文章でした。ここにマーガリンについては一言も書かれていませんでした。「日本農林規格(JAS規格)」の対象となる品目は、飲食料品、油脂、農産物、林産物、畜産物、水産物など様々な食品が定義されていました。ここに牛乳やバターについては書かれていませんでした。

原料

バター

動物性の油

牛乳の脂肪分100%

マーガリン

植物性の油

植物性の油
(※魚油、豚油が使われていることも有り)

バターの脂肪は牛乳の脂肪分だけですが、マーガリン類はコーン油、大豆油、パーム油、なたね油、綿実油などに、乳や乳製品、食塩、ビタミンA、乳化剤、着色料を加えて作ります。

マーガリンの場合、原料によって固さや味の違った製品を作りやすいそうなので、スーパーで販売しているマーガリンも多種多様です。最近ではケーキ用マーガリンも人気ですね。練り込みやホイップがしやすいそうです。

栄養比較(100gあたり)

<発酵バター>

エネルギー713Kcal
水分13.6g
タンパク質0.6g
脂質80.0g
炭水化物4.4g
灰分1.4g
食塩相当量1.3g

有塩バター>

エネルギー700Kcal
水分16.2g
タンパク質0.6g
脂質81.0g
炭水化物0.2g
灰分2.0g
食塩相当量1.9g

マーガリン>

エネルギー715Kcal
水分14.7g
タンパク質0.4g
脂質83.1g
炭水化物0.5g
灰分1.3g
食塩相当量1.3g

引用:文部科学省食品成分データベース

意外ですが、有塩バターの方が、マーガリンよりもカロリーが低いようです。

ちなみに発酵バターと普通のバターの違いは…
クリームは半日以上発酵させる手間をかけるかかけないかの違いです。発酵バターはコクがさらに深く、特有の風味が増すのです。発酵バターにもデメリットがあり、通常のバターよりも痛みやすいみたいです。日本のスーパーで売っているバターは基本的には普通のバターですが、ヨーロッパでは発酵バターの方がメジャーとのこと。

トランス脂肪酸について
トランス脂肪酸とは、脂質の構成成分である脂肪酸の一種です。マーガリンやショートニングなどを製造する際や植物油を高温にして脱臭する工程で生じます。また、天然でも、牛などの反すう動物に由来する乳製品や肉に含まれているものです。海外の研究結果によると、トランス脂肪酸の過剰摂取により、心筋梗塞などの冠動脈疾患が増加する可能性が高いとされています。

農林水産省「トランス脂肪酸に関する情報 食品中の脂質とトランス脂肪酸濃度」によると、バターのトランス脂肪酸は1.9gに対し、最近のマーガリンのトランス脂肪酸は0.99gとのこと。油脂メーカーの努力により、マーガリンに含まれるトランス脂肪酸は、バターの半分にまで低減されました。

製造方法

バター

牛乳

牛乳からクリームを分離して乳脂肪を固めて作ります。

マーガリン

冷やす

食用油脂に水や食塩のほか、乳成分やビタミンなどを加えて乳化させ、冷やして固めて作ります。

素材を活かしたシンプルな製造方法に思えますが、バターを作るのは大変そうです。乳脂肪分にもよりますが、200gのバターをつくるのに約4.2~4.4リットルほどの生乳が必要となります。その牛乳を乳脂肪分と脱脂棒分の二つに分離して、かき混ぜて固まったら最終的に水分を減らしていく作業が必要です。

風味

バター

濃い

濃厚でリッチなコクがある
しっかりとしたミルク風味

マーガリン

薄い顔

あっさり軽い
メーカーによって+@の違う風味付

バターは原料が牛乳のため、牛乳特有のクリーミーさと芳醇な香り、濃厚な味わいが楽しめます。

マーガリン自体はあっさりしているのですが、原料の組み合わせに多様性があるため、各メーカーが色々な味を出しています。例えば、ガーリック味やオリーブオイル味、さらには発酵バター入り、バター風味など可能性は無限大です。

食感

バター

冷蔵庫

冷やすと固い

マーガリン

冷えても柔らかい

冷えても柔らかい

扱いやすさ

バター

戻す

冷やすと固いので、常温に戻す必要がある

マーガリン

簡単

冷えても柔らかいので、生地に練り込みやすい

バターの場合、扱いやすい硬さ(可塑性)を保てる温度は、13〜18℃程度と幅が狭く、お菓子作りなどにおいて温度のコントロールをする必要があるのですが、それが難しいです。一方のマーガリンは扱いやすい硬さを保てる温度は、10〜30℃程度と幅が広く、乳化剤や酸化防止剤などを添加しているものもあるため、お菓子作りの手助けをしてくれる等、初心者でも割と扱いやすいのが特徴です。

値段

バター

高値

高価(価格に変動あり)

マーガリン

安価

安価(価格安定)

そもそもマーガリンはバターの代替品として作られたものなので、バターより安くなくてはいけません。また、バターが高い理由のひとつとして、原料が生乳の脂肪分であり、特別な技術が必要であるため、バターの大量生産が難しいことがあげられています。マーガリンは必要な材料を混ぜるだけなので、大量生産が可能とのこと。

賞味期限

バター

期限が短い

未開封:6ヶ月
開封後:2週間

マーガリン

期限が長い

未開封:6〜10ヶ月
開封後:1ヶ月

未開封だったらどちらも賞味期限は長いのですが、開封後のバターの賞味期限は短いです。また、マーガリンを使った焼き菓子よりもバターを使った焼き菓子の方が賞味期限も短く、期限内であってもその芳醇な風味や食感を日に日に失いやすいそうなので、早めに食べることが大切です。

オススメの使用方法

バター

オーブン調理
  • 加熱する系の調理
  • 炒め物/焼き物
  • プレーン味のお菓子・パン

(例)じゃがバター、パイ、ムニエル、クロワッサン、ピラフ、プレーンのフィナンシェ・マドレーヌ

マーガリン

トースト
  • (冷えた状態でも固まらないので)パンに塗りやすい
  • 加熱しない料理
  • 軽い食感の焼き菓子
  • 味のついた焼き菓子

(例)トースト、サンドイッチ、軽い食感のクッキー・パウンドケーキ

全体的に重めの生地が美味しいお菓子はバターを使った方がしっくりきますよね。一方、軽い食感を出したり、一緒に使う食材の風味や味わいを活かすにはマーガリンの方が効果的な場合もあるようですね。

オススメのフィナンシェ

バター を使用したフィナンシェ

バター

素材そのものを味わえるプレーン味がオススメです!プレーン味は余計なフレーバーがついていない基本となる味です。シンプルなプレーン味では、バターそのものの味を楽しめますね。個包装を開封して香料ではないバターの香りが広がるのが理想ですね。

<オススメのバター使用プレーンフィナンシェ>

セシボン(C'estsibon)の秘すれば花フィナンシェ

★★★★☆ (4.2 / 5) 今回は創業1888年の和菓子屋さんである船橋屋が出している「セシボンの-フィナンシェ-秘すれば花」7個入り1,814円(税込)をネットでお取り寄せしました…

バターの風味豊かなフィナンシェらしいフィナンシェでした。カロリーはお高めです!

マーガリンを使用したフィナンシェ

メープルシロップ

甘くてこってりとしたメープル味がオススメです!メープル系のフィナンシェはバターではなく、マーガリンが使用されていることが多いです。メープルは味も香りもくどいので、バターだとしつこくなってしまう可能性が考えられますね。

<オススメのマーガリン使用メープルフィナンシェ>

ココリス(COCORIS)のフィナンシェメープルマロン

★★★☆☆ (3.3 / 5) 今回はシュクレイが出している「ココリス(COCORIS)のフィナンシェメープルマロン」5個入り1,560円(税込)を東京駅(グランスタ)で購入いたしました。…

メープル味の生地にマロンクリームが入っていて、砕いた甘栗みたいなのが中に入っていて工夫がなされているフィナンシェです!

まとめ

フィナンシェのようなバター香りや味の濃厚さが大切な焼き菓子(特にプレーン味)には、マーガリンでは物足らないかもしれませんね。バターの良いところ、マーガリンの良いところ、それぞれ違うので、特性を活かして使い分けしていきたいですね。

バターの良いところマーガリンの良いところ
・芳醇な香り、コク、濃厚な風味が美味しい・賞味期限が長め
・あっさりとした食感
・冷えても固まらないので、パンやサンドイッチに塗りやすい
・冷えても固まらないので、混ぜやすい
・安定した価格(もちろんバターより安い)
・他の味の材料と組み合わせやすい

バターの良いところ1つしか思いつきませんでしたが、この良いところが大切ですよね。プレーンフィナンシェはバターで!…と私はこだわっていきたいと思います!!