世界のお菓子-ヨーロッパ編-

こんにちは。フィナンシェをこよなく愛する♡フィナンシェ好きのHARUKAです。

前回は中東・アフリカ大陸のお菓子について、前々回はアメリカ大陸、前々々回はアジアのお菓子についてのコラムをお届けしました!それでは原点に戻りまして…みんなも大好きなお菓子の本場です。今回は世界のお菓子の最終回!ヨーロッパ編です!

西ヨーロッパ

お菓子のイメージが強いのはフィナンシェの母国・フランスを擁する西ヨーロッパではないでしょうか?

1.フランス:フィナンシェ

フランスのフィナンシェ

フランスからは私の愛するフィナンシェを…

ロレーヌ地方(現在のグランエスト地方)からパリ発祥とされる「お金持ち」「金融家」を意味する人気のフランス焼き菓子です。外側サクサク&内側しっとりの食感と焦がしバターとアーモンドの風味がたまりません。材料は焦がしバター、薄力粉、砂糖、卵白、アーモンドプードル。バターを焦がして生地を混ぜてオーブンで焼き上げています。

詳しくは「フィナンシェとは?フィナンシェとマドレーヌの違いも徹底解説」もご覧ください。

2.イギリス:ショートブレッド

イギリス:ショートブレッド

スコットランド地方の伝統菓子です。見る人によってはカロリーメイトに見えるかもしれませんが、味は全然違います。クッキー…もはや長持ちさせるためにケーキを固くしたようなバターたっぷりの焼き菓子です。ショートブレットの「ショート」とは、「サクサクした、ホロホロした」という意味のようです。Walkers(ウォーカー社)のショーブレッドは日本のスーパーで普通に買えます。

ちなみに前述のカロリーメイトのホームページで、カロリーメイトはショートブレッドの見た目をモデルにしたと公言しています。

3.アイルランド:アイリッシュティーブラックケーキ

※残念ながらフリー素材がありませんでした。

ハロウィン発祥の国のアイルランドからは、アイリッシュウイスキーを使ったハロウィンに食べられる伝統的なケーキです。アイリッシュウイスキーにどっぷりとつけたレーズンがびっしりと詰まっています。レーズンだけでなく、シナモンやナツメグなどの各種スパイス、紅茶も使われています。また指輪などを中に仕込んで何が当たるかで運勢を占う文化もあるようです。

4.ベルギー:ワッフル

私たちの馴染みの深いベルギーワッフルですが、実は「リエージュワッフル」と「ブリュッセルワッフル」の2種類があります。

ベルギーのリエージュワッフル
リエージュワッフル

リエージュワッフルとは形は丸いものが多く、外は少しカリッ、中はフワフワ食感です。マネケンなどで食べられる、日本人にとってなじみ深いワッフルはリエージュワッフルです。

ブリュッセルワッフル
ブリュッセルワッフル

ブリュッセルワッフルは四角いワッフルです。ブリュッセルでは、そのワッフルの上に沢山の生クリームやフルーツ、チョコレートなどをのせたデコデコのワッフルが人気なのです。

5.ドイツ:バウムクーヘン

バームクーヘン

ドイツ語で木のケーキを意味するドイツ生まれのバウムクーヘン。日本では定番品となり大人気ですが、実はドイツ本国ではそこまで認知度の高いあるお菓子ではないようです。専用オーブンで一層一層丁寧に重ねて焼き上げていきます。木の年輪のようなお菓子です。ぎっしりと詰まった生地のしっとりとした食感が特徴です。

6.オランダ:ストロープワッフル

ストロープワッフル

お隣ベルギーとは異なり、オランダのワッフルは平たいワッフルです。現地のスーパーで安価で売ってます。薄焼きのワッフル生地でキャラメルをはさんであります。温かいコーヒーカップの上にのせて、その湯気であたたまったストロープワッフル自体も柔らかくなるのですが、中のキャラメルがとろっと溶けて美味しさが倍増するんです。日本ではカルディに売ってました。

南ヨーロッパ

暖かい気候で陽気なイメージの南ヨーロッパのお菓子です。

1.スペイン:チュロス

スペインのチュロス

本当はスペイン語では「チュロ」が正式名称です。チュロスは複数形です。日本ではテーマパークで食べたり、ドーナツ屋さんの一品として定番となっています。テーマパークで長くて円形に曲がったチュロスを食べた思い出が懐かしいです。本場スペインでは上の写真のように短く切られて出来立てでホットチョコレートにディップして一緒に食べます。

2.イタリア: スフォリアテッラ

イタリアのスファリオテッラ

スフォリアテッラはイタリア語で「ひだを何枚も重ねた」といった意味をもつイタリア・ナポリの名物焼き菓子です。貝殻をかたどった何層にも重なったパイ生地に中にはリコッタチーズや、カスタードクリーム、アーモンドクリーム等を入れてオーブンで焼き上げ、パリパリとした固めの食感が人気で最近日本でも今大注目されています。日本でもいくつかのベーカリーで販売してますね!美味しい!!以前はローソンでも売ってましたね。

3.ポルトガル:パステルデナタ

ポルトガルのパステルデナタ

エッグタルトです。マカオ経由で香港へ、そこから日本へ伝わりました。エッグタルトブームもありました。本名は「パステルデナタ」です。リスボンのジェロヌモス修道院では卵白を洗濯糊として使用していましたが、そのあまりの卵黄でお菓子を作るようになったそう。そんな中で生まれた卵黄スイーツです。

4.スロベニア:クリームシュニッテ(ブレッドクリームケーキ)

スロベニアのクリームシュニッテ

サクサクのパイ生地の中にはカスタードとホイップクリームがたっぷり入ってます。カスタードが軽く甘さが控えめなので、日本人好みの味です。観光地のブレッド湖での名物になっています。

5.クロアチア:パラチンケ(クロアチア風クレープ)

クロアチアのパラチンケ

クロアチアのお袋の味!もちもち生地のクレープです。(パンケーキのくくりらしいです)パンケーキなので、クレープよりは分厚く、写真のように折りたたんであるか、丸めているのが一般的です。

6.ギリシャ:ガラクトブレコ

ギリシャのガラクトブレコ

ギリシャのカスタードクリームパイです。カスタードを生地で包んで焼いてシロップをかけて食べるかなり甘〜〜〜いお菓子です。ほのかにレモン?ライムの味もします。

7.マルタ:カンノーリ

マルタのカンノーリ

元々はシチリアのデザートですが、マルタでも大人気です。シナモンが入った薄い生地を筒形に焼いて、リコッタチーズとクリームを入れて完成です。映画「ゴットファーザー」のセリフにも出てきました。サックサックの生地とたっぷりのリコッターズの相性が最高ですね。東京のいくつかのカフェでも食べられますよ。

北ヨーロッパ

1.デンマーク:デニッシュ

デンマークのデニッシュ

日本でも定番のデニッシュ、一応ランチなどの食事パンとしての立ち位置にあるかと思いますが、本国のデンマークではパンではなくケーキの扱いになるようです。バターをたっぷりと織り込んだ甘いパンで、フルーツのフィリングを包んだ見た目も味も可愛いサクサクとした食感がたまりませんよね。ちなみに私たちは「デニッシュ」と呼んでいますが、デンマークではウイーン発祥と考えられているので、「ヴィナーボズ」(ウィーンのパン)と呼ばれているようです。

2.フィンランド:ヨウルトルットゥ

フィンランドのヨウルトルットゥ

発音するのが難しい名前です( ̄ ‘i  ̄;) 星形のパイ生地の中心にドライフルーツを乗せて焼き上げたお菓子です。クリスマスに食べる伝統菓子のようです。

3.ノルウェー:ブルノスト(ブラウンチーズ)

ノルウェーのブラウンチーズ

牛乳から出る副産物のホエイ(ヨーグルトからも出てくる水っぽいの)を絡める色になるまで煮詰めて作った茶色い塊。砂糖を全く入れないのに、乳本来の甘みが出たキャラメルのように甘いチーズです。最近日本でもブラウンチーズを使ったお菓子が流行っていますよね。

4.スウェーデン:セムラ

スウェーデンのセムラ

北欧版マリトッツオ、スウェーデンの国民食です。昔はキリストの復活を祝うイースター(復活祭)から数えて45日前から断食に入るという風習があった頃に、断食前の火曜日に栄養を蓄えるために食べられていた伝統あるスイーツです。カルダモンを練り込んだ甘い生地のパンでアーモンドペーストと生クリームを挟んでいます。

中央ヨーロッパ

1.オーストリア:ザッハトルテ

ザッハトルテ

オーストリア・ウィーン発祥の贅沢なチョコレートケーキです。アプリコットジャムを塗ったチョコレートケーキにずっしりとした濃厚なダークな生チョコレートでコーティングがなされています。ホイップクリームと一緒に食べて丁度良いビターなこのケーキはウィーンにあるホテルザッハーのフランツ・ザッハーが創作したケーキです。日本でもDEMELがデパ地下にあるので、購入することができます。

2.ハンガリー:チムニーケーキ(クルトゥシュ)

ハンガリーのチムニーケーキ

実は日本での2024年の話題のハンガリー伝統スイーツです!生地を芯になる棒にぐるぐると薄く巻きつけて、バームクーヘン?ケパブのようにぐるぐるまわしながらゆっくりと焼いていきます。ちなみに表参道にあるハンガリー料理店で購入可能ですよ! チムニーケーキは英語名称です。「クルトシュ」はハンガリー語で「円形の筒」という意味で、まさに名前のとおり円形をしています。

3.チェコ:メドヴニーク

チェコのメドヴニーク

チェコでもチムニーケーキは大人気なのですが、隣国のハンガリーで紹介済みなので、今回ははちみつのケーキをご紹介します。ミルフィーユのように生地とフィリングが何層にも重なっているので、サクフワの生地とクリーム、さらにクルミの食感が最高です。クリームははちみつと練乳とクルミでできています。それでも甘さは割と控えめです。

4.ポーランド:ポンチキ

ポーランドのポンチキ

ポーランドからは穴のあいていないドーナツです。ジャムやクリームが入っていることもあります。アメリカではジェリードーナツと呼ばれているようです。私たちも馴染みの味です。ミスドのエンゼルクリームとほぼ一緒です。ミスドの創業者も東欧から来たユダヤ系アメリカ人だったそうなので、ポンチキがあってもおかしくないですよね。

5.スイス:エンガーデナー

エンガディナー

スイスのエンガディン地方の伝統菓子です。写真の真ん中の月餅のようなお菓子がエンガーディナーです。なんか響きが…ドイツ語かな?クーゲルシュライバー(=ボールペン)のように厨二病心を揺さぶられるかっこいい名前ですね。

キャラメル味のヌガーを香ばしいくるみにたっぷりからませて、クッキー生地で包み込んで焼きます。このエンガディナーをヒントに日本で大人気の「クルミッ子」が生まれました。エンガディナーは食べたことがないのですが、私もクルミッ子の大ファンです。こんな感じで世界の美味しいお菓子をどんどん日本人向けの味で商品化してくださる製菓業の方々に日々感謝ですね!

東ヨーロッパ

1.ロシア:ビーツケーキ

ロシアのビーツケーキ

ボルシチで有名なビーツ大国ロシアからはまさかのビーツケーキです。ビーツ自体は酸っぱい野菜と認識しておりましたが、お菓子にしても良いようです。ちなみにアメリカで有名なレッドベルベットケーキもビーツで着色しています。

2.ジョージア:ゴジナキ

ゴジナキ

クリスマスや年越しに欠かせない伝統菓子です。熱したはちみつに砂糖を加えてキャラメル化させて、ひまわりの種と胡桃などのナッツを混ぜ合わせて形を整えて、カットして出来上がりです。クルミとキャラメルは最強の組み合わせですね!

3.アルメニア:ガタ

アルメニアのガタ

アルメニアの伝統スイーツです。外はクロワッサンのようにサクサクで中は砂糖やバターでできたしっとりフィリングを包んだ甘いパンのようです。

ゲガルド修道院周辺のものが有名です。上の写真はフリー素材ですが、どうやらゲガルド修道院のもののようです。私はアルメニアには行ったことがないので、ゲガルド修道院をググってみたところ、ロールプレイングゲームに出てきそうな風貌でした。いつか行ってみたいですね。

4.リトアニア:シャコティス

リトアニアのシャコティス

世界の果てまでイッテQでも紹介されていました。リトアニアの伝統的なケーキです。バームクーヘンの起源とも言われています。リトアニアではスーパーでも当たり前に売られていますが、クリスマスや結婚式でもかかせないお菓子になっているようです。「シャコティス」とはリトアニア語で「枝分かれ」を意味しているので、まさに名前の通り木の幹(独:バームクーヘン)から枝分かれ(立:シャコティス)が起こった状態ですよね。

5.ルーマニア:パパナシ

ルーマニアのパパナシ

ルーマニアの伝統的なドーナッツケーキです。カッテージチーズと卵と小麦粉で作った生地を揚げて、サワークリームとジャムをソースとしてトッピングします。よくあるリング型のドーナッツの穴に丸いドーナッツを乗せています。2種類のドーナツは食感が違うなど工夫もされています。ドーナツ自体は甘さ控えめ、ソースで味が決まるので、お店によって自慢の味が異なりそうで、面白いですね!

まとめ

以上、世界のお菓子 -ヨーロッパ編- でした!
気になるお菓子はありましたか?私はもちろんフランスのフィナンシェですが、ノルウェーのブラウンチーズが気になっております!

もう既に日本上陸しているスイーツもありましたが、未上陸のお菓子もいつの日か国内で定番化するようになるのでしょうか?それまでは旅行に行くのも良いですし、自分で作ってみる!というのも良いかもしれませんね。

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